実習12分で読める

看護過程の書き方完全ガイド|アセスメントから評価まで

山田花子(看護師・実習指導者)

山田花子(看護師・実習指導者)

看護過程とは

看護過程は、患者さんの健康問題を科学的・系統的に解決するための思考プロセスです。

看護過程は以下の6つのステップで構成されます:

  1. 情報収集(データ収集)
  2. アセスメント(情報の分析・解釈)
  3. 看護診断(問題の明確化)
  4. 計画立案(目標設定・介入計画)
  5. 実施(介入の実行)
  6. 評価(成果の確認)

この記事では、各ステップの具体的な書き方を、実例を交えて解説します。

実習記録の基本については、実習記録の書き方も参考にしてください。

Step1:情報収集のポイント

S情報とO情報の違い

情報はS情報(主観的情報)O情報(客観的情報)に分類します。

種類定義
S情報患者本人や家族の言葉「胸が痛い」「食欲がない」
O情報観察・測定で得たデータ体温38.5℃、SpO2 95%

情報収集の方法

  • カルテ・記録:入院時情報、既往歴、検査データ
  • 観察:表情、皮膚の状態、ADL
  • 面接:患者・家族への聞き取り
  • フィジカルアセスメント:視診・触診・聴診・打診

検査値の読み方については、検査値の読み方を参照してください。

Step2:アセスメントの書き方

ゴードンの11の機能的健康パターン

アセスメントでは、ゴードンの機能的健康パターンを枠組みとして使うことが多いです:

  1. 健康知覚-健康管理パターン
  2. 栄養-代謝パターン
  3. 排泄パターン
  4. 活動-運動パターン
  5. 睡眠-休息パターン
  6. 認知-知覚パターン
  7. 自己知覚-自己概念パターン
  8. 役割-関係パターン
  9. 性-生殖パターン
  10. コーピング-ストレス耐性パターン
  11. 価値-信念パターン

アセスメントの書き方(具体例)

パターン:栄養-代謝パターン

【S情報】「食欲がない」「口の中が乾く」

【O情報】BMI 17.5、Alb 3.0g/dL、食事摂取量3割、口唇乾燥あり

【アセスメント】BMI 17.5は低体重(正常18.5-24.9)であり、Alb 3.0g/dLは低アルブミン血症を示す。食事摂取量が3割と低下しており、「食欲がない」との訴えから、栄養状態の悪化が進行していると考えられる。口唇乾燥と「口の中が乾く」という訴えから、脱水傾向も疑われる。入院による環境変化やストレスが食欲低下の一因と考えられ、栄養状態の改善に向けた介入が必要である。

Step3:看護診断の立て方

NANDA-I看護診断の活用

NANDA-I看護診断は、国際的に標準化された看護診断の分類体系です。

看護診断は以下の3要素で構成されます:

  • P(Problem):問題
  • E(Etiology):原因・関連因子
  • S(Signs/Symptoms):徴候・症状

看護診断の例

PES形式での記述例:

看護診断:栄養摂取消費バランス異常:必要量以下

関連因子(E):食欲不振、入院によるストレス

診断指標(S):BMI 17.5、Alb 3.0g/dL、食事摂取量30%

Step4:看護計画の立て方

目標設定のポイント

目標はSMARTの原則で設定します:

  • S(Specific):具体的
  • M(Measurable):測定可能
  • A(Achievable):達成可能
  • R(Relevant):関連性がある
  • T(Time-bound):期限がある

計画立案の例

長期目標:退院時までに、BMIが18.5以上に改善する

短期目標:1週間後までに、食事摂取量が5割以上になる

看護計画(O-P):

  • 毎食の摂取量を記録する
  • 週1回体重を測定する
  • 食事に対する患者の反応を観察する

看護計画(T-P):

  • 食事環境を整える(カーテンを閉める、臭いを除去する)
  • 好みの食品を確認し、栄養科に相談する
  • 少量頻回食の検討

看護計画(E-P):

  • 栄養の重要性について説明する
  • 退院後の食生活について指導する

実習と勉強の両立、大変だよね

無料で試す

Step5:実施の記録方法

実施内容の書き方

実施した内容は、いつ・何を・どのように行ったかを具体的に記録します。

【実施記録例】

10:00 朝食の摂取量を確認。主食2割、副食3割。「今日は少し食べられた」との発言あり。食事環境を整え、窓を開けて換気を行った。好みの食品について聞き取りを行い、「果物なら食べられそう」との返答。栄養科に果物の追加を依頼した。

Step6:評価の書き方

評価のポイント

評価では、目標の達成度を客観的に判定します:

  • 達成:目標を完全に達成した
  • 部分達成:一部達成した
  • 未達成:達成できなかった

評価の例

【評価記録例】

短期目標:1週間後までに、食事摂取量が5割以上になる

評価:部分達成

根拠:1週間後の食事摂取量は主食4割、副食5割と改善傾向。目標の5割には届いていないが、開始時の3割から改善している。患者から「果物が出るようになって食べやすい」との発言あり。引き続き食事環境の調整と好みに合わせた食事提供を継続する。目標期間を1週間延長し、継続して評価する。

よくある失敗と対策

失敗1:情報とアセスメントの混同

NG:「38.5℃の発熱があるため、解熱剤を投与する」

OK:「38.5℃の発熱は感染症の徴候と考えられる。患者は『体がだるい』と訴えており、倦怠感を伴う発熱への対応が必要である」

失敗2:目標が抽象的

NG:「栄養状態が改善する」

OK:「1週間後までに食事摂取量が5割以上になる」

失敗3:評価が主観的

NG:「なんとなく良くなった」

OK:「食事摂取量が3割→5割に改善し、短期目標を達成した」

看護過程を効率的に学ぶコツ

  • 教科書の例を真似る:最初は型通りに書く
  • 先輩の記録を参考にする:良い例を学ぶ
  • 毎日少しずつ書く:溜め込まない
  • 指導者に質問する:わからないことは早めに聞く

実習を乗り越えるコツについては、実習準備チェックリスト実習指導者との関係構築も参考にしてください。

まとめ

看護過程は、最初は難しく感じますが、型を覚えて繰り返し練習することで必ず上達します。

ポイントをまとめると:

  1. 情報収集:S情報とO情報を明確に分ける
  2. アセスメント:枠組みを使って系統的に分析
  3. 看護診断:PES形式で問題を明確化
  4. 計画立案:SMART目標を設定
  5. 実施:具体的な行動を記録
  6. 評価:客観的な達成度を判定

この記事を参考に、看護過程の記録に取り組んでみてください。

国試対策全般については、看護師国試の効率的な勉強法もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q看護過程とは何ですか?

看護過程とは、患者さんの健康問題を科学的・系統的に解決するための思考プロセスです。情報収集→アセスメント→看護診断→計画立案→実施→評価の6段階で構成され、エビデンスに基づいた看護実践の基盤となります。

Qアセスメントで何を書けばいいですか?

アセスメントでは、収集した情報(S情報・O情報)を分析し、患者さんの健康状態や問題点を明らかにします。ゴードンの11の機能的健康パターンなどの枠組みを使って、正常からの逸脱、原因、強み・弱みを記述します。

Q看護診断と医学診断の違いは何ですか?

医学診断は疾患名(例:肺炎)を示し、医師が行います。看護診断は患者の反応や状態(例:非効果的気道浄化)を示し、看護師が独自に判断・介入できる問題を表します。NANDA-I看護診断を使うことで、標準化された表現ができます。

Q看護計画の目標はどう書けばいいですか?

目標は患者主体で、具体的・測定可能・達成可能・期限付きで書きます。例:「3日後までに、患者が痰を自力で喀出できる」「退院時までに、患者が服薬の必要性を説明できる」のように、いつまでに、誰が、何を、どの程度できるかを明確にします。

Q評価ではどのようなことを書きますか?

評価では、設定した目標が達成されたかを客観的に判定します。達成・部分達成・未達成のいずれかを判断し、その理由を分析します。目標未達成の場合は、計画の修正や新たなアプローチを検討し、次のサイクルにつなげます。

山田花子(看護師・実習指導者)

山田花子(看護師・実習指導者)

執筆者

看護学生の学習をサポートするため、実体験に基づいた情報を発信しています。

看護師免許

この記事が役に立ったら、友達にもシェアしよう

この記事をシェア

今日からできること

  • 1この記事のポイントをノートにまとめる
  • 21つだけ、今日から実践してみる
  • 3ナスコレで毎日の学習を習慣化する

実習と勉強の両立、大変だよね

限られた時間でも効率的に学習。ナスコレがあなたのペースに合わせたタスクを提案します。

無料で始める
完全無料登録30秒カード不要
1,200+人が利用中満足度4.8/5.0「毎日の勉強が習慣になった」という声多数

あわせて読みたい