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看護過程の進め方|5つのステップを分かりやすく解説

佐々木理恵(看護師10年目・看護教育専門)

佐々木理恵(看護師10年目・看護教育専門)

看護過程とは

看護過程は科学的根拠に基づいた看護を提供するための思考プロセスです:

  • 患者さんの健康問題を系統的に解決
  • 5つのステップで構成
  • PDCAサイクルと同様の考え方
  • 個別性のある看護を提供

看護過程の5つのステップ

全体の流れ

  1. アセスメント:情報収集と分析
  2. 看護診断:看護問題の特定
  3. 計画立案:目標と介入の設定
  4. 実施:計画に基づくケア
  5. 評価:目標達成の確認

これらは循環的なプロセスで、評価後にアセスメントに戻ることもあります。

ステップ1:アセスメント

アセスメントとは

患者さんの情報を収集し、分析・解釈すること。

情報収集の方法

  • 観察:バイタル、表情、行動
  • 面接:患者さん、家族から聴取
  • 記録の確認:カルテ、検査データ
  • 他職種からの情報:医師、リハビリスタッフ

情報の種類

  • 主観的情報(S):患者さんの訴え、感情
  • 客観的情報(O):観察、測定した事実

情報整理の枠組み

ゴードンの機能的健康パターン

  1. 健康知覚-健康管理
  2. 栄養-代謝
  3. 排泄
  4. 活動-運動
  5. 睡眠-休息
  6. 認知-知覚
  7. 自己知覚-自己概念
  8. 役割-関係
  9. セクシュアリティ-生殖
  10. コーピング-ストレス耐性
  11. 価値-信念

ヘンダーソンの14の基本的欲求も使われます。

アセスメントの書き方

  1. 情報を記載(SとO)
  2. 正常・異常の判断
  3. 原因・理由の分析
  4. 今後の予測
  5. 看護の方向性

ステップ2:看護診断

看護診断とは

アセスメントに基づき、看護介入で解決できる健康問題を特定すること。

看護診断の抽出

  • アセスメントから問題を特定
  • NANDAの診断ラベルを使用
  • 関連因子・診断指標を明記

記述の形式

診断ラベル + 関連因子 + 診断指標

例:「皮膚統合性障害リスク状態(関連因子:長期臥床、栄養状態不良)」

優先順位のつけ方

  1. 生命に関わる問題
  2. 安全に関わる問題
  3. 患者が困っている問題
  4. 入院目的に関連する問題

詳しくは看護診断の立て方を参照してください。

ステップ3:計画立案

計画立案とは

看護診断に基づき、目標と具体的な介入方法を設定すること。

目標設定

長期目標:退院時や実習終了時に達成したい状態

短期目標:1日〜1週間で達成したい状態

目標の書き方(SMART)

  • S:具体的(Specific)
  • M:測定可能(Measurable)
  • A:達成可能(Achievable)
  • R:関連性(Relevant)
  • T:期限(Time-bound)

例:「3日後までに、1,500mL/日の水分摂取ができる」

看護計画の構成(O-P, T-P, E-P)

  • O-P(観察計画):何を観察するか
  • T-P(ケア計画):どんなケアを行うか
  • E-P(教育計画):何を指導するか

詳しくは看護計画の立て方を参照してください。

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ステップ4:実施

実施とは

計画に基づいて実際にケアを行うこと。

実施の流れ

  1. 計画を確認
  2. 患者さんの状態を確認
  3. 必要物品を準備
  4. ケアを実施
  5. 患者さんの反応を観察
  6. 記録

実施時の注意点

  • 患者さんの同意を得る
  • 安全に配慮
  • 患者さんの反応を観察
  • 計画と違う状況があれば柔軟に対応
  • 実施内容を正確に記録

ステップ5:評価

評価とは

設定した目標が達成できたかどうかを判断すること。

評価の視点

  • 目標達成度:達成、一部達成、未達成
  • 計画の妥当性:適切だったか
  • 介入の効果:ケアは効果があったか

評価後の対応

  • 目標達成:計画終了、または次の目標へ
  • 一部達成:計画を継続または修正
  • 未達成:原因を分析し、計画を修正

評価の記載例

「目標:3日後までに1,500mL/日の水分摂取ができる」

「評価:本日の水分摂取量1,200mL。目標未達成。午前中の摂取量が少ないため、午前中にも声かけを行う計画に修正する」

実習での看護過程

実習での流れ

日程内容
1日目情報収集、アセスメント開始
2日目アセスメント、看護診断
3日目看護計画立案
4日目〜実施、評価、修正
最終日最終評価、まとめ

実習での注意点

  • 毎日アセスメントを更新
  • 患者さんの状態変化に対応
  • 指導者に確認しながら進める
  • 記録は当日中に

よくある困りごとと対策

情報が集まらない

対策:観察の視点を増やす、コミュニケーションを工夫

アセスメントが書けない

対策:正常値と比較、知識を復習、「なぜ」を考える

看護診断が分からない

対策:NANDA本を参照、よく使う診断から覚える

目標が立てられない

対策:患者さんの状態に合った現実的な目標、SMART

まとめ

看護過程の5つのステップ:

  1. アセスメント:情報を集め、分析する
  2. 看護診断:看護問題を特定する
  3. 計画立案:目標と介入を設定する
  4. 実施:計画に基づきケアする
  5. 評価:目標達成を確認する

看護過程は看護の基本です。繰り返し練習して、思考プロセスを身につけましょう。

実習記録については実習記録の書き方も参考にしてください。

よくある質問

Q看護過程とは何ですか?

看護過程とは、患者さんの健康問題を解決するための系統的なアプローチです。アセスメント→看護診断→計画立案→実施→評価の5つのステップで構成され、科学的根拠に基づいた看護を提供するための思考プロセスです。

Qアセスメントが苦手です。どうすればいいですか?

まず情報収集をしっかり行い、ゴードンやヘンダーソンなどの枠組みに沿って整理しましょう。正常と異常を比較し、なぜそうなっているのか、今後どうなる可能性があるかを考えることがアセスメントです。

Q看護過程と看護計画の違いは何ですか?

看護過程は5つのステップからなる全体のプロセス、看護計画はその中の一つのステップです。看護計画では、看護診断に基づいて目標と具体的な介入方法を立案します。

Q評価はどのようにすればいいですか?

設定した目標が達成できたかどうかを判断します。達成できていれば計画終了、達成できていなければ原因を分析して計画を修正します。患者さんの状態変化を観察し、計画の効果を確認することが評価です。

佐々木理恵(看護師10年目・看護教育専門)

佐々木理恵(看護師10年目・看護教育専門)

執筆者

看護学生の学習をサポートするため、実体験に基づいた情報を発信しています。

看護師免許

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