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実習でのコミュニケーション術|患者さん・スタッフとの関わり方

山田美穂(看護師8年目・実習指導者)

山田美穂(看護師8年目・実習指導者)

実習でコミュニケーションが大切な理由

実習はコミュニケーション力を磨く絶好の機会です。

看護師の仕事の多くは、コミュニケーションによって成り立っています:

  • 患者さんとの信頼関係構築
  • 医療チームとの情報共有
  • 家族への説明・支援

実習中にコミュニケーション力を身につけることで、就職後もスムーズに働けるようになります。

患者さんとのコミュニケーション

基本の姿勢

  • 笑顔:緊張していても笑顔を心がける
  • 目線:患者さんと同じ高さで話す
  • 声のトーン:明るく、聞き取りやすい声で
  • 傾聴:話を遮らず、しっかり聴く

会話の始め方

挨拶と自己紹介

「おはようございます。〇〇学校から実習に来ました△△です。今日から〇日間、担当させていただきます。よろしくお願いします。」

体調の確認

「今日のお加減はいかがですか?」
「昨晩はよく眠れましたか?」
「お食事は召し上がれましたか?」

会話を続けるコツ

  • 開かれた質問:「はい/いいえ」で終わらない質問をする
  • 共感:「それは大変でしたね」と気持ちに寄り添う
  • 相槌:「そうなんですね」「なるほど」と反応する
  • 沈黙を恐れない:そばにいるだけでも意味がある

話題の例

良い話題避けるべき話題
天気、季節の話政治、宗教
趣味、好きなこと他の患者さんの話
ご家族の話(様子を見て)病気の詳しい予後
昔の思い出費用、お金の話

難しい場面への対応

患者さんが話してくれないとき

  • 無理に話そうとしない
  • ケアを通じて関係を築く
  • 「何かあれば声をかけてください」と伝える

患者さんが怒っているとき

  • まず落ち着いて話を聴く
  • 言い訳せず、共感を示す
  • すぐに指導者に報告する

患者さんが泣いているとき

  • そばにいる
  • 必要に応じてティッシュを渡す
  • 「つらいですね」と共感する
  • 無理に話を聞き出さない

看護師への報告

SBARで報告する

報告はSBAR形式で行うと分かりやすいです:

  • S(Situation):現在の状況
  • B(Background):背景情報
  • A(Assessment):自分のアセスメント
  • R(Recommendation):提案・依頼

報告例

「〇〇さんの血圧が150/95mmHgと高めです(S)。普段は120/80mmHg程度で、今朝から頭が重いとおっしゃっています(B)。血圧上昇と頭重感があり、経過観察が必要かと思います(A)。このまま様子を見てよいでしょうか(R)」

報告のタイミング

  • すぐに報告:バイタルサインの異常、患者さんの急変、転倒・転落
  • 適宜報告:ケアの実施状況、患者さんの訴え
  • まとめて報告:日常的な観察内容

報告前の準備

  1. 報告内容をメモにまとめる
  2. 数値はメモを見て正確に伝える
  3. 「今お時間よろしいですか」と確認
  4. 結論から話す

指導者との関係構築

基本姿勢

  • 挨拶:元気よく、目を見て
  • 感謝:「ありがとうございます」を忘れずに
  • 素直さ:指導を受け入れる姿勢
  • メモ:教わったことを書き留める

質問の仕方

  1. まず自分で調べる・考える
  2. 質問を具体的に整理する
  3. 忙しくないタイミングを見計らう
  4. 「お忙しいところすみません」と前置き
  5. 教えてもらったらお礼を言う

良い質問の例

「〇〇について教科書で調べたのですが、△△の部分が分かりませんでした。教えていただけますか?」

怖い指導者への対応

  • 指導の内容に集中する(感情ではなく)
  • メモを取り、同じ質問をしない
  • 感謝を伝える
  • 他の相談できる先輩を見つける

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緊張を和らげる方法

事前準備

  • 患者さんの情報を十分に予習
  • 話す内容をシミュレーション
  • よく聞かれる質問への答えを準備

当日の対処法

  • 深呼吸:ゆっくり3回
  • 笑顔を作る:表情筋を動かすとリラックス
  • 「緊張しています」と言う:正直に伝えると楽になる
  • 完璧を求めない:失敗しても学びになる

緊張しやすい場面への対策

場面対策
初日の挨拶鏡の前で練習、メモを見てOK
カンファレンス発表原稿を準備、何度も練習
技術の実施手順を復習、指導者に確認
指導者への報告メモを準備、SBARで整理

よくあるコミュニケーションの失敗

失敗1:話しすぎる

対策:患者さんの話を聴くことを優先。自分の話は控えめに。

失敗2:専門用語を使う

対策:患者さんに分かりやすい言葉で説明。

失敗3:返事をしない

対策:呼ばれたら「はい」と返事。指示を受けたら復唱する。

失敗4:報告が遅い

対策:異常はすぐに報告。「後で」は危険。

コミュニケーション上達のコツ

  1. 場数を踏む:経験が一番の教師
  2. 振り返る:うまくいった点、改善点を分析
  3. 先輩を観察:上手な人のやり方を真似る
  4. フィードバックをもらう:指導者に聞く

まとめ

実習でのコミュニケーションのポイント:

  1. 患者さん:笑顔、傾聴、共感を大切に
  2. 報告:SBAR形式で簡潔に
  3. 指導者:感謝と素直さを忘れずに
  4. 緊張対策:準備と深呼吸で乗り越える
  5. 失敗を恐れない:経験が成長につながる

コミュニケーションは練習で上達します。実習を通じて、一歩ずつスキルを磨いていきましょう。

実習全般については、実習準備チェックリストも参考にしてください。

よくある質問

Q患者さんと何を話せばいいか分かりません。

まずは挨拶と自己紹介から始めましょう。その後は、体調のこと、好きなこと、ご家族のことなど、患者さんが話しやすい話題を振りましょう。無理に話を続けなくても、そばにいるだけでも安心感を与えられます。

Q看護師さんへの報告が苦手です。どうすればいいですか?

SBAR(状況・背景・アセスメント・提案)の形式で報告すると伝わりやすいです。事前にメモにまとめ、「今お時間よろしいですか」と確認してから報告しましょう。緊急性の高いことは遠慮せずすぐに報告してください。

Q指導者さんが怖くて質問できません。

質問は「分からないまま行動する」より安全です。「お忙しいところすみません」と前置きし、具体的に質問しましょう。質問内容をメモにまとめておくと、効率よく聞けます。

Q緊張してうまく話せなくなります。

緊張は自然なことです。深呼吸をする、事前にシミュレーションする、「緊張しています」と正直に伝えるなどの方法があります。経験を積むことで自然と慣れていきます。

山田美穂(看護師8年目・実習指導者)

山田美穂(看護師8年目・実習指導者)

執筆者

看護学生の学習をサポートするため、実体験に基づいた情報を発信しています。

看護師免許

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