記録が「通らない」地獄
実習で一番つらかったのは、記録の書き直しでした。
毎日23時までかけて書いた記録が、翌朝真っ赤になって返ってくる。
「アセスメントが浅い」
「根拠がない」
「患者さんの個別性が見えない」
何が悪いのかわからない。でも書き直さないと実習が進まない。
私は実習記録で何十回も書き直しをさせられました。でも、その経験から「通る書き方」がわかるようになりました。
この記事では、私の失敗と、そこから学んだ書き方のコツを共有します。実習前の準備については実習準備チェックリストも参考にしてください。
失敗①:教科書をコピペしていた
何をやっていたか
アセスメントを書く時、教科書の文章をそのまま引用していた。
「糖尿病患者は血糖コントロールが重要である。高血糖が持続すると合併症のリスクが高まる。」
これ、教科書に書いてあることをそのまま写しただけ。
なぜダメだったか
指導者からのコメント:
「これは教科書の内容であって、〇〇さん(患者さん)のアセスメントではありません」
「この患者さんの場合はどうなのか」が書けていなかった。
学んだ書き方
教科書の知識を「この患者さんの場合」に落とし込む。
Before:「糖尿病患者は血糖コントロールが重要である」
After:「Aさん(78歳)はHbA1c 8.2%と血糖コントロールが不良であり、認知機能の低下から服薬管理が困難な状況にある。そのため、家族の協力を得た服薬管理と、低血糖症状の早期発見が必要と考える」
失敗②:「思う」「考えられる」で逃げていた
何をやっていたか
自信がないから、全部の文末を曖昧にしていた。
「〜だと思われる」
「〜の可能性が考えられる」
「〜かもしれない」
なぜダメだったか
指導者からのコメント:
「で、結局どうなの?あなたの判断は?」
曖昧な表現ばかりだと、アセスメントになっていない。
学んだ書き方
根拠を示して、言い切る。
Before:「脱水の可能性が考えられる」
After:「尿量減少(400ml/日)、皮膚の乾燥、口渇の訴えから、脱水状態にあると判断する」
根拠となるデータを示せば、言い切っても大丈夫。
失敗③:関連図がただの「線つなぎ」だった
何をやっていたか
疾患の病態生理を矢印でつないだだけの関連図。
「糖尿病 → 高血糖 → 合併症」みたいに、教科書通りの流れを書いただけ。
なぜダメだったか
指導者からのコメント:
「これ、Aさんじゃなくても同じ図になりますよね」
患者さんの個別性がない。
学んだ書き方
関連図に「この患者さん特有の情報」を入れる。
- 年齢、家族構成、職業、生活背景
- 患者さんの発言(「甘いものがやめられない」など)
- 実際の検査データ
- 現在の具体的な症状
関連図を見た人が「この患者さんのことだ」とわかるものにする。解剖生理の知識を深めたい方は解剖生理の覚え方も参照してください。
失敗④:看護計画が「一般論」だった
何をやっていたか
看護計画の目標が抽象的すぎた。
「血糖コントロールができる」
「安全に過ごせる」
なぜダメだったか
指導者からのコメント:
「いつまでに?どの程度?評価はどうするの?」
具体性がないと、達成できたかどうか評価できない。
学んだ書き方
目標は「いつまでに」「何が」「どうなる」を具体的に。
Before:「血糖コントロールができる」
After:「実習期間中に、患者自身が食前の血糖測定を一人で実施できる」