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フィジカルアセスメントのやり方|視診・触診・聴診・打診の基本

山本健一(看護師12年目・救急看護認定)

山本健一(看護師12年目・救急看護認定)

フィジカルアセスメントとは

フィジカルアセスメントは身体の状態を系統的に観察・評価する技術です:

  • 視診:目で見て観察
  • 触診:手で触れて確認
  • 聴診:聴診器で聴く
  • 打診:叩いて音を確認

これらを組み合わせて、患者さんの状態を把握します。

基本の4技術

視診

目で見て観察する技術。

観察するポイント:

  • 全身状態(顔色、表情、体格)
  • 皮膚(色、湿潤、発疹、傷)
  • 姿勢、動き
  • 呼吸パターン
  • 浮腫、左右差

触診

手で触れて確認する技術。

触診するポイント:

  • 皮膚(温度、湿潤、弾力)
  • 脈拍(リズム、強さ)
  • 腹部(硬さ、圧痛)
  • リンパ節(腫脹)
  • 浮腫(圧痕)

注意点:

  • 手を温めてから触れる
  • 痛みのある部位は最後に
  • 患者さんに説明してから

聴診

聴診器で音を聴く技術。

聴診するもの:

  • 心音
  • 呼吸音
  • 腸蠕動音
  • 血管雑音

聴診器の使い方:

  • 膜型(ダイアフラム):高音(呼吸音、腸音)
  • 鐘型(ベル):低音(心音のⅢ・Ⅳ音)
  • 皮膚に密着させる
  • 静かな環境で

打診

叩いて音を確認する技術。

打診音の種類:

  • 鼓音:胃、腸(空気)
  • 清音:肺(正常)
  • 濁音:肝臓、心臓
  • 過共鳴音:気胸、肺気腫

系統別アセスメント

全身状態

  • 意識レベル:JCS、GCS
  • バイタルサイン:体温、脈拍、血圧、呼吸、SpO2
  • 顔色:蒼白、チアノーゼ、黄疸
  • 表情:苦悶、無表情
  • 体格:やせ、肥満

呼吸器系

視診

  • 呼吸数、呼吸パターン
  • 胸郭の動き(左右差)
  • 呼吸補助筋の使用
  • チアノーゼ

触診

  • 胸郭の動き
  • 声音振盪

打診

  • 肺野の打診音

聴診

  • 呼吸音(肺胞呼吸音、気管支呼吸音)
  • 副雑音(笛声音、水泡音、捻髪音)

循環器系

視診

  • 顔色、口唇のチアノーゼ
  • 頸静脈怒張
  • 浮腫

触診

  • 脈拍(橈骨動脈、頸動脈)
  • 末梢の冷感
  • 浮腫(下肢)

聴診

  • 心音(Ⅰ音、Ⅱ音)
  • 心雑音

心臓の聴診部位:

  • 大動脈弁領域(右第2肋間)
  • 肺動脈弁領域(左第2肋間)
  • 三尖弁領域(左第4肋間)
  • 僧帽弁領域(心尖部)

消化器系

視診

  • 腹部の膨満、陥凹
  • 皮膚の状態
  • 手術痕

聴診(打診・触診より先に行う):

  • 腸蠕動音(グル音)
  • 回数、性状

打診

  • 鼓音、濁音の分布

触診

  • 腹部の硬さ、圧痛
  • 肝臓、脾臓の触知
  • 腹水の有無

神経系

  • 意識レベル:JCS、GCS
  • 瞳孔:大きさ、左右差、対光反射
  • 運動機能:筋力、麻痺
  • 感覚:痛覚、触覚
  • 反射:膝蓋腱反射など

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実習でのポイント

事前準備

  • 手順を復習
  • 必要物品を確認(聴診器、ペンライト)
  • 患者さんの情報を確認

実施時

  • 患者さんに目的を説明し同意を得る
  • プライバシーに配慮
  • 手を温めてから
  • 痛みに配慮
  • 観察したことをメモ

実施後

  • 患者さんに終了を伝える
  • 観察結果を記録
  • 異常があれば報告

よくある間違いと対策

間違い1:聴診器の当て方が弱い

対策:皮膚にしっかり密着させる

間違い2:腹部で聴診前に触診する

対策:腹部は視診→聴診→打診→触診の順

間違い3:冷たい手で触る

対策:手を温めてから触診

間違い4:正常が分からない

対策:健常者(友人など)で練習し、正常を覚える

よく使う用語

用語意味
頻呼吸呼吸数25回/分以上
徐呼吸呼吸数12回/分未満
頻脈脈拍100回/分以上
徐脈脈拍60回/分未満
チアノーゼ皮膚・粘膜の青紫色
黄疸皮膚・眼球の黄染

まとめ

フィジカルアセスメントのポイント:

  1. 4つの技術:視診・触診・聴診・打診
  2. 系統別に:呼吸器、循環器、消化器、神経系
  3. 正常を知る:正常が分からないと異常が分からない
  4. 練習あるのみ:繰り返し練習して身につける
  5. 患者さんへの配慮:説明、プライバシー、痛みへの配慮

フィジカルアセスメントは看護の基本技術です。実習で積極的に経験を積みましょう。

バイタルサインについてはバイタルサイン正常値まとめも参考にしてください。

よくある質問

Qフィジカルアセスメントとは何ですか?

フィジカルアセスメントとは、視診・触診・聴診・打診などの技術を用いて、患者さんの身体状態を系統的に観察・評価することです。問診と合わせて、患者さんの健康状態を把握するための基本技術です。

Q聴診器の使い方が分かりません。

聴診器は膜型(ダイアフラム)と鐘型(ベル)があります。膜型は高音(呼吸音、腸蠕動音)、鐘型は低音(心音のⅢ音、Ⅳ音)に適しています。イヤーピースを耳に合わせ、皮膚に密着させて聴きます。

Q呼吸音の異常音が分かりません。

正常呼吸音(肺胞呼吸音、気管支呼吸音)をまず覚えましょう。異常音には、笛声音(喘鳴)、水泡音(湿性ラ音)、捻髪音などがあります。YouTubeなどで実際の音を聴いて覚えるのが効果的です。

Q実習で緊張してうまくできません。

事前に手順を何度も練習し、友人同士で練習しましょう。実習前に流れを頭に入れておくと、緊張しても手が動きます。分からないことは正直に指導者に伝え、一緒に確認してもらいましょう。

山本健一(看護師12年目・救急看護認定)

山本健一(看護師12年目・救急看護認定)

執筆者

看護学生の学習をサポートするため、実体験に基づいた情報を発信しています。

看護師免許

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